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ビジネスを通じて多文化共生社会に貢献する

社員男女比

男性

30%

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女性

70%

年齢層

20代
28%
30代
35%
40代
28%
50代
9%

管理職男女比

男性

50%

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女性

50%

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動物好き

We Animals

犬や猫、ウサギや魚などの小動物を含めて、様々な種類のペットを飼っており、お互いのペットに会う機会も積極的に作ったりしています

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毎年アクセシビリティのイベントで障害がある方々とのコミュニケーション機会を積極的に作っています

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44%

育児ママ・パパ

小学生以下(小学生を含む)のお子さんを育てている

11 か国

メンバー出身国・地域

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88% スタッフ

2言語以上話せる

社名
エクスポート・ジャパン株式会社
設立
2000年4月
資本金
6117万円
代表取締役
高岡 謙二代表メッセージ >
主要株主
代表者、株式会社JTB、役員、従業員、神戸大学経営学研究科卒業生24名(個人株主)、他
当社の
取り組み
エクスポート・ジャパンでは、お客様の安心、従業員の安心を目指し、情報セキュリティの確保や、働きやすい環境整備に取り組んでいます。Read More >
SDGsへの
取り組み
弊社で取り組んでいる持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)を紹介しています。Read More >
所属団体
インバウンドデジタルマーケティング協議会、環境省 国立公園オフィシャルパートナー image、大阪商工会議所会員、東京観光財団賛助会員

所在地

大阪本社

〒542-0081

大阪府大阪市中央区南船場3-7-27 NLC心斎橋7F

TEL 06-6210-2722

FAX 050-3457-8760

東京支社

〒103-0027

東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント1F

TEL 03-6214-5881

FAX 050-3457-8760

中国オフィス

現地社名:長沙日通商務服務有限公司

〒410000

中国湖南省長沙市雀園路568号創谷広告産業園B3棟0412

TEL/FAX +86-731-8228-7650

会社沿革

2000

4月

インターネットに特化して海外向けマーケティングを行う専門企業として、資本金1,000万円で大阪市北区に設立。(設立時社名: エクスポート・トゥ・ジャパン・ドットコム株式会社)

2002

4月

首都圏への営業拠点として東京オフィスを銀座に開設。

12月

訪日・在日外国人向けのポータルサイト、ジャパンガイドの国内総代理店となる。

2003

1月

社名をエクスポート・ジャパン株式会社へ変更。

6月

クリエイション・コア東大阪での国際情報受発信業務の受託に伴い、本社を東大阪に移転。

2004

2月

大阪府より中小企業経営革新支援法の認定を受ける。

2007

8月

株式会社ジェイティービー他より出資を受ける。

9月

中国湖南省長沙市に中国法人を設立 (現地社名:長沙日通商務服務有限公司)

12月

東京支社を日本橋三越前に移転。

2012

10月

関係会社PIJINにおいてQR Translatorの事業を開始。

2021

5月

本社を大阪市中央区南船場に移転。

2023

1月

東京支社を中央区日本橋に移転。

スタッフ紹介

スタッフ紹介

多様なスキルやバックグラウンドを持つスタッフの紹介

採用情報

多文化・多様性に溢れたスタッフが働いています。

プレスリリース

ブログ

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EXJカルチャー

Exploring Cultures, Coding, and Career Growth at Export Japan 

Born in Tampa and shaped by experiences across the U.S. and Japan, my journey led me from studying abroad to building a career in tech. Now at Export Japan, I’m excited to share my story and embrace new opportunities.

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ローカライゼーション

外国人旅行者の興味を惹く!歴史上の偉人を紹介するコツ

インバウンドマーケティング部のジェイリーンです。 私は英語ネイティブライター兼エディターとして、観光庁の多言語解説整備支援事業や、SNSのライティング事業などを担当しています。エクスポート・ジャパンに入社する前にも、カナダの博物館で海外からの観光客を案内したり、大学院では文学作家の太宰治についての修士論文を発表したりと、様々な歴史上の人物を紹介してきました。 今回は、文豪・夏目漱石を例に、歴史上の有名な人物(&関連するもの)を紹介する際に、どうすれば外国人旅行者の興味を惹くのか、5つのコツをお伝えしたいと思います。 ①読み手を適切にイメージする (背景知識や文化的ギャップも含めて) 第一に、外国人旅行者は、日本史や日本文学についての知識をほとんど持ってないと考えましょう。 例えば、漱石の生涯や文学について日本人向けに解説を書く場合、明治時代を代表する作家であることに言及すると思います。彼自身の生涯も1867年〜1916年とまさに明治期を生きた人物で、作品にもその時代背景が反映されています。ですが、大半の外国人は日本史をあまり把握していませんし、明治期の急速な近代化・西洋化という背景知識もほとんどありません。そのため「単に100年以上前の作家なのね」という程度の理解で終わってしまいかねません。 一般の外国人旅行者向けの文章の場合、伝えたいメッセージを理解してもらうためにより詳しい説明が必要か、それとも大幅に省略してシンプルにするか、どちらが良いかを見極める必要があります。 背景知識の違いだけではなく、文化の違いも念頭に置く必要があります。欧米でも、作家の記念館が建てられたり生家が保存されたりすることはあります。しかしそのような事例は稀少で、作家ゆかりの地を巡る文化が根付いている日本とは異なります。 そのため、(建物自体に建築的・歴史的価値がある場合は別として)有名作家が住んでいた家というだけでは、外国人旅行者には魅力が伝わりにくいのです。誘客に繋げるには、歴史や文化の観点から、なぜこの作家が有名なのか、どのような作品を発表したか、その作品はどの程度読まれているかなどの紹介が必要です。 もし、小説が翻訳されて他国で読まれていたり、映画化されて海外でも上映されていたりする場合には、比較的多くの情報を持っている外国人旅行者が多くなります。 例えば、遠藤周作の名前を聞いたことがない外国人旅行者でも、彼の小説を原作としたマーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙(原題はSilence)』(2016年)を観たことがある人はそれなりにいると思われます。 このように、フックにできそうなものがある場合は上手く活用しつつ、読み手に合ったアプローチが大切です。 漱石山房記念館 夏目漱石の胸像(左)と等身大パネル(右) ②その人物の功績、貢献を具体的な言葉で伝える 背景知識の差を埋めるには、その人物を紹介する理由が何かを、具体的に伝えることが大切です。漱石の場合は、このような書き方ができます。 Natsume Sōseki (1867–1916) is the famous novelist behind modern Japanese classics such as Bocchan, Kokoro, and I Am a Cat. 夏目漱石 (1867–1916) は、『坊っちゃん』『こころ』『吾輩は猫である』といった近代日本の名作を生み出した有名な小説家である。 (補足:上記の3作品は、英語をはじめ多言語で翻訳されています) 実態に即している必要はありますが、肩書の前に “famous” (有名な) や、 “celebrated” (著名な) といった形容詞を加えると、その人物を知らない外国人旅行者にも、日本で良く知られている重要な人物であることが伝わります。もし、情報を追加するスペース上の余裕があれば、『こころ』が1950年代以降日本の教科書に載っていることや、漱石の肖像画が2007年まで千円札に載っていたことなど、より興味を惹いたり、どれくらい有名なのかが分かる情報を加えるとよいでしょう。 一方で、歴史上の人物の誰もが漱石ほど有名であるとは限りません。そのような場合は、その人物の功績や、地域にとってどれほど重要な人物なのか、丁寧に説明しましょう。仮に漱石が有名ではないとしても、素晴らしい学者であり、才能溢れた小説家であり、作家を志す多くの若者を勇気づけた敬愛される教育者であったこと等を伝えることができます。 地域にゆかりのある人物についての、皆さんの想い・愛情を、具体的な情報とともに是非文章にしてみてください。   ③「イメージづくり」に力を入れる 紹介する人物について、シンプルで強いイメージを読者に持たせることを意識しましょう。 歴史上の人物の説明には、様々な数字・年代情報や、その人物の魅力に直接的には関連のない情報が数多く盛り込まれていることがあります。 そのような情報の羅列は、外国人旅行者にとって理解が困難であるだけでなく、面白みに欠け、記憶に残らずに終わってしまいます。 また、日本人なら誰でも知っているような人物の場合は残した功績が多く、その生涯には様々なドラマがあるものですが、そのような人物についての解説・紹介を書く際は注意が必要です。 よく知っていればいるほど、膨大な量の伝えなければいけない情報が多々あるように錯覚させられてしまいます。そのような認識で作られた文章は冗長で情報量が多くなりすぎ、外国人旅行者が読んでもその人物についてのシンプルで明快なイメージを持ちづらくなってしまいます。 例えば、漱石の生涯について説明したい場合、主だったポイントだけ拾っても以下の通り沢山の情報があります。 漱石の家庭環境、子ども時代、勤勉な学生時代、英語の才能、英語教師時代、英国留学、神経衰弱、作家としてのデビュー・成功、教職を辞し職業作家となったこと、木曜会の発足、他の作家への影響、博士号辞退、健康問題、そしてその生涯の終わり。 漱石について全く知らない外国人旅行者にとって、一度に理解するには相当な情報量だと思いませんか? 例えば、英国で神経衰弱を患ったことを最初に伝え、その後に教職を辞してリスクの高い職業作家となったことや博士号辞退について言及するとします。すると、初めてその情報に触れる読者にとっては、精神的にもろい一面と、強靭な精神力を持つ一面と、二つの真逆のイメージが湧いてしまいます。 もちろん、実際には誰しも、このような相反する性質を持ち合わせているものだと思いますが、何も知らない海外からの旅行者に短時間でその偉人を理解してもらう場合には、混乱を生じさせる可能性が高くなってしまいます。 漱石について紹介する場合であれば、次の2つのイメージ像で伝えられるのではないでしょうか? 神経衰弱や病気を患った影響もあって、彼の作品では近代社会における孤独、欲望、葛藤、そして疎外感を抱く人間心理が描かれている。 社会的地位を捨て専業小説家となって成功し、後世の作家たちにも大きな影響を与えた もしイメージ像1で伝えるのであれば、英国留学とそこでの生活、患った神経衰弱から立ち直るために知人が小説を書くことを勧めたこと、彼の苦闘が作品にどう表れているか、精神的負荷が健康へどう影響したか、などの説明をすることができます。 そうすると、苦しい経験を小説という形で表現した漱石のイメージ像が明確に浮かびます。これが何も知らなかった外国人にとって、漱石についてのシンプルで強いイメージとなります。 一方で、その人物についてシンプルで強いイメージ像を抱かせることに成功したのであれば、今度はより複雑で相反するような実像についても伝えることが容易になります。 例えば、イメージ像1の場合、関連するストーリーに焦点を当て、苦難な人生を歩んできた漱石像を持たせた上で、最後に彼の人生やキャリアは悲観的なものばかりではなく、成功し後世への貢献もあったことにも言及すると、よりインパクトが出ます。 ④ 印象的、共感できるエピソードを取り上げる 印象的なエピソードや、共感を呼びやすいストーリーを伝えることは、大変有効です。 例えば、糖尿病や胃潰瘍を患う漱石のために家族がせっかく隠していたにも関わらず、好物の羊羹を探して食べてしまう漱石のエピソード。とても人間味があり、身近に感じると思いませんか? また、この話は問題を抱えながらも小説家として成功したイメージ像1に結びつき、そのイメージを強化してくれます。 前章のイメージ像2に関連するエピソードの場合、彼が教職を辞し職業作家になったことに言及できます。他にも、博士号辞退(当時は相当な驚きをもって受け止められた)についてや、木曜会に若い文学者が集まり多くの著名な作家が生まれたことなども挙げられます。これらのエピソードにより、漱石の反権威主義、先駆者としての成功や、文学界への貢献といったイメージがより鮮やかなものとなることでしょう。 「漱石ってかっこいい。彼は世論に流されず文学的成功も収めた。漱石が尊敬されているのも納得だ。」 そんなイメージを強く持ち帰ってもらえれば成功です。 人物の一面だけの印象しか持ってもらえない場合でも、それが強いイメージ像で関心を持ってもらうことさえできれば、更に深く知ろうとしたり、関連する場所に行こうとしたりする動機付けにもなります。 私もそのようにして、太宰治について関心を抱きました。最初は「鬱々とした作家で、苦悩の多い生涯を送った」という強いイメージ像を持っていましたが、関心を持ち深く知ろうとした結果、太宰の多様な魅力を知ることができました。(私の場合は、修士論文に書いたほどです 笑) ⑤人間性(歴史人物と関連するものについて書く時) ①~④では、主に人物の紹介に焦点を当てました。ところで、その人物と関係のある物、例えば手紙や愛用品、建物などは、どのように紹介すれば外国人旅行者の関心を呼ぶでしょうか? 一つの答えは、人間性に焦点を当てることです。 以下に実例を挙げます。 原文A:(歴史人物)が出張先の東京から静岡にいる家族に送った手紙(○○○○年○○月○○日)。(歴史人物)は身の回りの状況を家族に知らせている。 原文B:(歴史人物)の母(名前)の墓石から文字を写し取った紙(○○○○年○○月)。(名前)だけでなく、(歴史人物)の父(名前)の来歴も記されている。 Aの解説もBの解説も、展示物が何かを説明するには十分な情報ですが、 その人物の人間性はあまり感じられません。知識を多く持たない外国人旅行者にとっては、ただ事実だけを述べられたところで興味を覚えにくいものです。 それではどのようにしたら興味を抱いてもらえるでしょうか? 例えば、実際の手紙や写し紙の内容を翻訳するという手もありますし、下記のような補足説明を加え読み手にアピールすることもできます。 原文A:手紙の内容からの引用「春になれば政府からお暇を許され、帰省できるだろう」 原文B:「撰文は(歴史人物)で、大義之正を教えてくれた母への感謝を記している」 家族を懐かしむ姿(原文A)と、母に感謝する姿(原文B)を解説文に含めば、歴史人物の人間性や家族への想いを感じることができ、読み手がその人物に共感したり、親近感を抱いたりするのではないでしょうか? もう一つ、事例をあげたいと思います。太宰治記念館「斜陽館」の、太宰著『津軽』についての解説文です。記念館の洋間に展示されている看板に書いてあるのは、中学時代の太宰がソファーに寝そべって、サイダーをがぶ飲みしたという内容でした。 この解説文を通して、展示物のソファは、ただの家具から、青春時代の太宰を思い描かせてくれ、その時代のサイダーがハイカラだったことを教えてくれるものに生まれ変わりました。ご自身の青春時代を思い出す人もいるかもしれません。 (左)斜陽館の外観と(右)洋間 その時代の生活を思わせる内容や、時代が違っても普遍的な感情や想い。この2つは、背景知識や文化が異なる外国人旅行者にとっても興味があることです。 この2つの要素を分かりやすく伝えられれば、読み手の共感や関心を得ることができ、来訪者がその歴史的な人物を知らなくとも、展示物を楽しく鑑賞できるようになるのではないでしょうか。   以上、歴史上の人物紹介、関連する展示物紹介でのポイント5つをお伝えしました。 皆さんの地域にゆかりのある歴史上の人物について、訪日外国人の皆さんにも、その魅力が今以上に伝わることを願っています。 エクスポート・ジャパンでは、ライティング経験豊富なネイティブスタッフが多数在籍しています。外国人目線でのアドバイスや、多言語ライティングについてご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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ローカライゼーション

外国人から見るアニメ関連「聖地巡礼」の魅力と誘客に生かす方法

インバウンドマーケティング部のジェイリーンです。 本記事では、海外アニメファンの感想や個人的なエピソードを取り上げながら、外国人が感じるアニメ関連「聖地巡礼」(別名:アニメツーリズム)の魅力と誘客に生かす方法について解説します。聖地巡礼という切り口で観光コンテンツをご検討される際の参考としていただければ幸いです。 初めての「聖地巡礼」 私が初めて聖地巡礼に参加したのは、1ヶ月の留学プログラムで初来日した時で、プログラム外の自由時間を使ってアニメ『ラブライブ!』の聖地である秋葉原に行きました。 『ラブライブ!』は、音ノ木坂学院を入学希望者の減少による廃校から救うため、学校の宣伝を目的として結成された架空のスクールアイドルグループ「μ's(ミューズ)」の奮闘と成長を描くメディアミックス作品です。メンバーは全員女子高生です。 目的地は主に二つありました。一つ目は、μ'sのライバルアイドルグループが在籍する架空の高校「UTX学園」のモデルになったUDXビルで、もうひとつはμ'sの一員である東條希が巫女のアルバイトをしている神田明神でした。 (左)UDXビル (右)神田明神 この二つの場所のどちらも、作品内でとてもリアルに描かれています。しかし、この二つの場所が現実にあるスポットをモデルにしたものだという情報は、特に明かされていません。なので、日本を知らない外国人にとって、作品を見ていてわかるのは、主人公達が放課後「秋葉原」という町で遊んでいることくらいです。 では、UTX学園のモデルになったビルや神田明神が、実際に秋葉原にある施設だという情報を、私はどうやって得ることができたのでしょうか? それは、海外のSNSで発信されていた、「アニメ」と「現実」を比較する画像情報からでした。私は『ラブライブ!』の大ファンでしたので、それを見た時、「日本にいる間に訪れないと!!」と決心したのでした。 当時は今よりもずっと日本語力が低かったのと、日本用SIMカードが無くてスマートフォンのGPSを使うことも出来なかったため、初めての聖地巡礼では迷子になり、神田明神を見つけることができませんでした。リベンジとして2回目に挑戦した際には、事前に地図をダウンロードしていたこともあって無事に辿り着くことができました。 神田明神では、(迷惑にならないよう周りに気を付けながら)記念写真を取ったり、 μ’sがいつもトレーニングの場として使っていた明神男坂の階段をキャラクター達のように駆け上がってみたり、また、境内にあった『ラブライブ!』のガチャガチャを回したりと、楽しく参拝することができました。 その日のことは、今でも大切な想い出になっていますし、来日する度に必ず行くところになりました(現在は日本に住んでいるので毎年訪れています!)。 「聖地巡礼」の魅力 私のように、日本への旅にあたってアニメや映画などのコンテンツに登場する「本物」のロケ地を訪ねたいと考えるファンは大勢います。 その理由は三つあると考えられます。 ①親近感を味わうこと 一つ目は、好きなキャラクターと同じ空間に立ったり、記念写真を撮ったりして、そこから生まれる親近感を味わうことです。 これが一番わかりやすい理由ですね。「ファンだからこそ見に行きたい」景色がありますし、そこで名シーンを再現するのは、作品のファンならではの喜びです。こうした需要の源泉は、感情です。作品に対する強い感情が生まれなければファンを動かすことはできません。「共感」や「あこがれ」がこうした聖地巡礼のきっかけになります。 キャラクターは2次元ですが、ファンにとってはリアルで憧れの存在です。聖地巡礼は、歌手のファンがライブやサイン会に行くのに近いかもしれません。歌手のファンの中にもCD音源やライブ映像だけで満足するファンもいますが、コンサートに訪れて「本物」を見て、そこで感じられる一体感に最大の喜びを覚えるファンもたくさんいます。 アニメファンも同じです。聖地を訪れるファンは、聖地でしか味わえない「親近感」や「一体感」を求めているのです。 ②日本に対するノスタルジア 二つ目は、行ったことのない国へのノスタルジアです。 ノスタルジアというと、日本語では故郷を想う気持ちというニュアンスで使われがちですが、英語の定義では「Nostalgia is an affectionate feeling you have for the past, especially for a particularly happy time.」(引用: Collins Dictionary)となっていて、必ずしも故郷には限らず、過ぎ去ったものへの愛情や愛着を表します。本文で言うノスタルジアは、この感情です。 周りのアニメファンに尋ねてみると、日本のアニメで見て「ノスタルジアを感じたもの」かつ「実際に見てみたいもの」はなんと蝉の声、夜の販売機、人気(ひとけ)のない田舎のバス停、高校の校舎などでした。どれも日本に住んでいれば、多少地域差はあるかもしれませんが、空気のように当たり前になってしまうものです。 これは必ずしもアニメファンに限ったことではないかもしれません。例えば、2023年訪日外国人消費動向調査では、「渡日前に期待していたこと」という問いに「日本の日常生活体験」と回答した旅行者が約21.5%(約539万人)いました。この回答も、上記のようなノスタルジアの感情に由来するものだと思われます。 日本のアニメではそうした日常風景が非常にリアルに描かれているため、そうした当たり前のような風景にノスタルジアを覚える層は一層多いことでしょう。 アニメは最高の観光大使ですね。 少しだけ余談で個人的な話をすると、初めて来日したばかりの時には、交差点の自転車・歩行者専用標識を見て「あの作品で見たのと同じだ!」と興奮して、その信号機の写真を撮ってしまいました。理解できないかもしれませんが、日本ならどこにでもあるような何の変哲もない信号機です。その写真は今も残っています。 初来日時に撮影した信号機の写真です 留学から帰国した後、『君の名は。』(英語字幕版)が私の地元の映画館で放映された時のこともよく覚えています。新海誠監督が描く東京はリアリズムに溢れ、日本の平凡な日常の音(電車の音など)と風景が懐かしく思えてしまい、気がつくと泣いてしまっていました。 たとえロケ地でない場合でも、こうした「ノスタルジア要素」をアピールすることは効果的でしょう。外国人にとって特にイメージしやすいのは、ジブリ映画に登場するような、日本人にとっては当たり前でも、外国人にとっては不思議さが潜んで見える、田畑や山林に囲まれている田舎の日常の原風景です。 これらは外国人が求める「日本」です。 ③「リアル」の魅力 三つ目は、海外アニメの中では滅多にない「リアル」のロケ地が使われていることです。 海外アニメでは、日本のアニメのように、ロケ地とタイアップしてその場所をコンテンツの舞台とするようなことは滅多にありません。殆んどの海外アニメは、実在の場所ではなく架空の都市や町を舞台にしています。また、たとえ舞台が実在の場所となるような作品であっても、ランドマークとなるような有名な場所以外、だいたい架空の建物です。 それに対して日本のアニメやゲームでは、実在する特定の学校、神社、お店、マンションなどがリアルに描写されています。アニメがどのぐらい実際の場所を再現しているかを知ること・実感することはアニメファンに大きなインパクトを与えます。 ファンにとって、作品に登場するその場所には、ストーリー性と感情的な価値が与えられます。普通の階段に見えても、『君の名は。』の主人公たちが再会する須賀神社男坂が、アニメファンにとっては特別な場所であり、聖地巡礼の対象にもなっています。 アニメで見たものの「リアル(実物)」に惹かれる観光客は、旅行会社や地域の人々にとって思いもよらない対象を観光の目的にするのです。 聖地巡礼をインバウンド誘客に生かす方法 聖地巡礼をインバウンド誘客に生かすのに最も重要なことは、次の二つです。 ターゲット層を理解することと、多言語での情報提供です。 二種類のアニメファン 聖地巡礼をするファンには二種類、一般層とマニア層がいます。マニア層はネットなどで関連する情報を自ら積極的に収集し、所謂オタク活動に触れる機会が多くあるファンです。 先述したようなSNSの見比べ映像を見たり、日本語がわかる場合は、聖地巡礼の情報が載っているファンブログを読んだりします。情報収集を終えてから、聖地巡礼を目的に来日し、あらゆるマニアックな場所へ足を延ばすファンです。公式に発表されている作品の舞台ではなくても、少しでも作品と関係があれば、その場所を訪れるマニアックなファンもいます。 例えば、竈門神社という福岡県太宰府市にある神社は、『鬼滅の刃』ファンの訪れる場所となっています。公式の舞台ではないのですが、主人公の竈門 炭治郎の姓と同じ竈門の名前を持つ神社ということで聖地になっているのです。 あるファンの実例ですが、あるアニメの重要な登場人物が首に白蛇を巻いていることから、山口県岩国市にあるシロヘビを祭る岩国白蛇神社や岩国白蛇の館を訪れ、そのついでに岩国市の他の観光地巡りも楽しんだというお話があります。 ファン活動によって、観光資源に付加価値が与えられる一例です。 岩国白蛇神社(山口県岩国市) 聖地巡礼の現状は、多くが国内ファン、または日本語ができるファンによって支えられていますが、インバウンド誘客にも無限の可能性を秘めています。なぜかというと、好きなアニメの舞台が、本当に実在している場所だと知らない一般層のファンが大勢いるからです。 アニメと日本が好きだけど、日本語を話せなくて「聖地巡礼」という文化にも馴染みが薄いライトな一般層に対しても、旅前に情報を提供すれば、旅程にロケ地を加えようとする可能性が大いにあります。 例えば、屋久島は現在『もののけ姫』にインスピレーションを与えた島として多くの外国人観光客も訪れていますが、SNSでバズった投稿や旅行記事によって情報が拡散されたことが、その現状を生んだきっかけとなっています。 どのファンに対しても、認知度向上と情報提供が不可欠です。 多言語情報提供の重要さ 認知度向上 まずは、ある場所が人気アニメの舞台であることを多くの人に知ってもらうことからはじめましょう。アニメ内でその場所の名前が映っているシーンがあったり、キャラクターがその地名を言う場合は印象に残りやすいですが、他のアプローチも考えられます。 例えば、SNS上でのPR、アニメ公式や配信サービスとのタイアップ、または円盤の特典映像での地域紹介を含めることなどです。著作権の問題などもあると思いますが、アニメ製作会社にとっても有益な場合が多いのではないでしょうか。 情報提供 聖地巡礼に関する情報の多くは日本語で提供されているため、日本語が分からないファン、日本の地理が分からないファン、実在の場所が舞台となっていることを知らないファンなどは、機会を逃してしまいがちです。例えば、地方を舞台とするアニメの場合、ロケ地への地理的位置やアクセス方法が容易に分からなければ、聖地に足を運んでもらうことは難しいでしょう。 ファンが訪ねたい場所についても、作品によっては情報を得ることが難しいです。ジブリや新海誠の映画なら、多言語の情報は結構ありますが、他の作品はそうでもありません。町の全体的な雰囲気を味わいたいファンもいますが、名シーンの再現などをやりたいファンもいます。しかも、ファンが訪ねたいコンテンツは所謂観光地に限定されておらず、販売機、ポスト、コンビニ、道路、路地裏など、アニメ内に映るもの全てが対象になりえます。多くは私有地や私有物であったりすることもあるので、情報発信は非常に重要です。 アニメの舞台となっているロケ地が具体的にどこにあるのかを伝える基本的な情報に加えて、マナー(住民が写真に映らないように気を付けましょう、私的所有なので立入禁止など)や、近くの他の観光資源、お店の情報などを載せることも大切です。私自身の経験から言えば、観光客を様々な場所まで連れて行くスタンプラリーは特に効果的です。 情報発信の媒体としては、旅マエと旅ナカで参考になるwebサイトが一番効果的でしょう。場所を見つける方法や訪ねる動機を提供すれば、人々はそれを利用します。旅ナカ用には簡単なパンフレットなどでもいいと思います。もし可能であれば、質の良いお土産用のパンフレットを作成して印刷されたものを現地で少額で販売しつつ、ネットで無料のPDF版をアップするのもいいかもしれません。 重要なのは、そのような情報を、見つけやすい場所(ネットであれば旅行者が多く見るメディアに載せる、紙媒体であれば駅構内や、観光案内所など旅行者が立ち寄るところなど)に配置することです。 まとめ 外国人が感じるアニメ関連「聖地巡礼」の魅力、インバウンド誘客の可能性についてお話してきました。 聖地巡礼に限らず、「リアル」や「感動」は旅のポイントになっています。そこに聖地巡礼という要素を掛け合わせ、適切に情報発信していくことで、新たな層の誘客に繋げていくことができるかもしれません。 エクスポート・ジャパンでは、多様な経歴を持つ外国籍スタッフが多く在籍しています。インバウンド誘客のアドバイス、プロモーション、多言語ライティングなど、ご相談がありましたらお気軽にお問い合わせください。

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