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日本と似ているようで違う台湾のコーヒー文化とカフェ事情

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Y. Chen

こんにちは、japan-guide.com繁体字版を担当、台湾出身の陳です。今回は母国の台湾滞在中に実感した台湾のコーヒー、カフェ事情について紹介したいと思います。

洋風クラシカルなカフェ

台湾のカフェについて

台湾と聞くとお茶は当たり前のような存在ですが、実はコーヒーが好きな台湾人もすごく多いです。台湾のカフェでは、様々な選択肢があり、大手チェーンカフェの他に、個性的なカフェも日々進化しています。
ここ数年、台北や台南は、カフェの激戦地区といわれているようです。それは、若年層によるカフェ起業が続いていることや、外での作業を好む人が多く、台湾に根付いている外食文化の影響で生まれたコーヒーカルチャーだと思われます。

上島珈琲店入口

☕ 大手チェーンのカフェ

世界中に広がるスターバックスコーヒーはもちろん、台湾発のチェーンカフェも非常に多いです(LOUISA COFFEE、85度C、cama現烘咖啡、丹提咖啡など)。また、日本のチェーンカフェも台湾に進出し、都市部の街中や商業施設内では、上島珈琲店、コメダ珈琲、星乃珈琲店、猿田彦珈琲なども多く見られます。

☕ コンビニのコーヒー

2004年、台湾のセブンイレブン(統一超商)は本格的なコーヒーを発売し、他のコンビニも低価格のコーヒー市場に参戦しました。セブンイレブンのCITY CAFEでは、LサイズのLATTEが55元(約200円)、カップの容量は日本より大きいです。また、買一送一(一杯購入したらもう一杯無料)キャンペーンも頻繁に開催され、寄杯サービス(一杯無料の分は次回来店の際に受け取る)もあるので、とても便利です。

また、最近では各大手コンビニにでも、比較的に値段が高いシングルオリジンコーヒー(一杯約320円)も発売されました。

☕ 個人経営のカフェ

台湾のカフェ文化といえば、個人経営のカフェが特徴的です。ご飯重視の食事系カフェでは、ドリンクの他に、定食、パスタ、ブランチなどをメインに提供しますが、客の滞在時間を制限することが一般的です(大体2時間ぐらい)。そのほか、カフェ空間を重視する店舗では、滞在時間を制限せず、オープンからすぐに入店し、終日滞在する人もいます。自家焙煎をメインとして経営していくカフェもあります。

おしゃれなカフェのワンプレート。サラダ、ブロッコリー、ポテト、オレンジ、軽食ののった一皿。

台湾のコーヒー市場

台湾の財政部関税局の統計によると、この10数年で台湾の平均コーヒー消費量が3.7倍に成長しました。また、民間調査によると、台湾では、年間一人当たりの消費量は約130杯程度です。しかし、日本と韓国では300杯超える消費量があることをみると、台湾のコーヒー市場はまだまだ成長の余地があります。

台湾のカフェは勉強と仕事用?

台湾では、大手チェーンのカフェを含め、一部の個人カフェにも長居することができます。それらの大半はコンセントと無料Wi-Fiが完備されています。BGMが流れていますが、基本的に静かなスペースなので、勉強と作業向きです。一日中店内に滞在しても、店員からの目線を感じず、とても楽に集中できます。

白いコーヒーカップをテーブルの高さアングルから見た写真。

台北市内のカフェ繁盛エリア

台湾の歴史背景、時代変遷と共に、台北の人気エリアも変化します。

台北市内のカフェ繁盛エリア地図。左から黒丸、青丸、赤丸でエリアを図示しています。

・西側の繁盛
運河の運輸中継地として栄えたの黒線エリア(西門、北門、中山周辺)は、市場と小売店が多く、伝統的建物や寺院が多く存在します。1970年代は個人経営で、海外の生豆を輸入し自家焙煎する喫茶店が多く見られました。

・東側へ移転
2000年代以降、青線エリア(東区)に移り変わりし、デパート、アパレルショップ、レストランを多く集め、おしゃれな欧風カフェ、食事系がメインのカフェも増えていきます。

2010年以降も、さらに東のオレンジ線エリア(信義区)は商圏として発展し、三越や台北101などの大型商業施設が集まり、高級エリアとして人気を占めていきます。高級レストラン、バー、大手カフェの旗艦店も続々とこの地域に進出しています。

・再び西側ブーム
2015年以降、人気店舗が続々とと西側に移転し、政府側の活性化戦略も加わり、黒線のエリアが人気が急上昇します。伝統とモダン要素などを融合した古民家、古蹟建物のリノベーションカフェとお店が主流となりました。

人気エリアのカフェ紹介

上に述べた黒線の人気エリアにあるカフェを紹介します。地下鉄大橋頭駅と北門駅の間のエリアは「大稲埕」と言います。18世紀に港が開かれたことから大稲埕は商業圏として賑わい、「迪化街」という街をメインとした商会と小売業の店舗が立ち並びます。また、当時はバロック式建築、伝統的な閩南式平屋、洋風の建築が多く、現在は古い建物をリノベーションし、カフェ、食堂などが多く揃っています。

☕ AKA café

左側AKA caféの中庭を望む写真。右側に木製のプレート等に盛られたスイーツセットの写真。

AKA caféの建物は、港貿易が賑やかな時代による富商の旧住宅です。閩南式の平屋建て、建物に入らないと中庭を眺めることができません。こちらのカフェは事前予約制で、店内に入ると様々な規則があるので、作業空間としては向かないかもしれません。

品質が高いコーヒーメニューが豊富で、伝統的なお菓子をアレンジしたスイーツセットなどを楽しめます。また、バリスタは日本から招聘された方なので、店には多くの日本人店員が在籍しています。店内に広いソファ席、屋根裏席もあり、中庭のテラス席が一番人気のようです。

公式Instagram:https://www.instagram.com/aka.cafe.tw/

☕ 小城外珈琲 Caffé CityNorth

小城外珈琲 Caffé CityNorth。左に中庭の階段を上から望む写真。右側にコーヒーを取り入れたカクテルグラスの写真。

ビルの2階にあり、1階の建物に入ってから中庭の階段に登って入店できます。コーヒーの質が高くてドリンクメニューが豊富です。こちらでゆっくり作業する人も多いです。また、夜になると、barメニューを提供しています。コーヒーを取り入れたカクテルもおすすめです。

公式Instagram:https://www.instagram.com/caffe_citynorth/

台湾産コーヒー豆について

台湾のコーヒー豆といえば、高温多湿な気候で育ったコーヒーは苦味や酸味が少なく、果実の香りとフルーティーな甘味が口の中に残るのは特徴です。

財政部関税局の統計によると、この20年間コーヒー豆の輸入量が2.1倍に増え、台湾のコーヒー豆栽培業も注目されています。台湾コーヒー豆の産地は主に熱帯に近い中部と南部となり、屏東県、嘉義県と南投県がメインです。

近年、台湾ではコーヒー豆の栽培により注力し、様々な改良を試した結果、2003年生産量(35ドン)と比べ、2017年以降の生産量(約950ドン)は約27倍に増加しました。しかし、生産量はまだまだ少なく、輸入コーヒー全体の3%にすぎません。

台湾コーヒーのこれから

台湾コーヒーは生産地が限られ、生産量が極めて少ないことから貴重な存在となっています。近年では、「幻のコーヒー」とも呼ばれ、農園の知名度向上に努め、台湾と海外の一部のカフェで販売したり、様々なPRに注力しているようです。

日本でも台湾のコーヒーを提供するカフェが増えてきました。現在、全国に約40店舗ほどあるようです。機会があればカフェめぐりをしてゆったり過ごしながら、お気に入りの台湾のコーヒーを見つけてみませんか。

コーヒー豆の入ったカップ、コーヒーを淹れた紺色のカップが木製のテーブル上にあり、テーブルには数個のコーヒー豆があります。

台湾の食品に関する市場事情について、海外マーケティング事情:台湾のクラフトビールブームも掲載していますので、是非こちらも併せてご覧ください。