冬のクロアチア個人旅行へ行ってきました
EXJカルチャー
トンダゴッサ!昨年末から1月上旬にかけて夫婦でクロアチアに行きました。
[クロアチア基本データ(外務省より)]
5万6,594平方キロメートル(九州の約1.5倍)
428.5万人(2012年:クロアチア政府統計局)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/croatia/data.html
↑場所はここ、アドリア海を挟んでイタリアの向かい。
ザグレブの幹線道路からスロベニアを抜けてイタリアやスイスに通じています。
(冬にはクロアチア以南の国からもこのルートでアルプスにスキーしにいく人が多いとのこと)
世界観光機関の観光ランキング統計では2015年 24位 1268万3千人を受け入れており、
国内人口430万人の約3倍の数を受け入れている観光大国です。
なぜクロアチアに?
理由1,世間の注目
近年メディアの露出も増加しているように見受けられるのが”アドリア海の宝石”と称されるドブロブニク。現在、ポルトガルやクロアチアは安全に旅行できる先として人気が上昇しているそうです。
一方で、キュレーションサイトでの概要紹介以上の情報はネット上で見つけにくく(特に冬の情報は!)、評判と現地の実際を比較したかったという事があります。
ドブロブニク旧市街
理由2,地中海沿岸の港町は聖地巡礼対象
本当はこちらが理由として一番大きいのですが、コーエイ(現:コーエーテクモゲームス)の「大航海時代」というゲームの影響です。プレイヤーが船団を操作して、世界中の港を巡って冒険・貿易・投資等行うゲームなのですが、特に欧州の港は序盤に登場するため記憶に刻まれます。
クロアチアが擁する聖地としては、ザダール、スプリト、ラグーザ(現ドブロブニク)などは、アテネ~イスタンブールにヴェネチアを加えた3点貿易中の相場調整や食料・水確保の寄港地として寄ったのではないでしょうか。
そういった、いわゆる聖地巡礼の意味合いがありました。
理由3,クロアチア政府観光局のサイトによる強い「水道水アピール」
http://croatia.hr/ja-JP/Journey-through-Croatia/Useful-information
安全に水が飲める国自体が世界にはさほど多くないため、特に長期で過ごす方には良い情報なのかと思われます。
ただ、日本人にはそれが少し当たり前に見えるというだけで。(それだけコストかけてますけどね)
*ネットで出回っている「国土交通省が指定する安全に水が飲める国は13ヶ国」という情報のネタは平成16年資料が根拠になっているので古さに要注意。
理由4,クチコミ
学生時代から聞いていた他の人からの評判では、
まず高評価だったのがスペインポルトガル、トルコ、中東欧で
その中にクロアチアも含まれていました。(エリア的にはチェコに行く人の方が多かったですが)
なにが良かったか
良かった1,町並みの良さ、自然、市場
自分の中でのイメージはDQ4(褒め言葉)
街灯含め壁の色、ペイントが良い雰囲気だしてます。
スプリットという港町です。大航海時代ファンなら当然ご存知ですね。
世界遺産プリトヴィツェ国立公園、谷の上から。降りると凍った滝なども。
ドブロブニク旧市街のメインストリート。夏は人酔いするほど賑わうそうです。
旧市街城門から少し歩いた場所。色んな工房などが集積しています。
手元に市場の写真等がないのですが、Instagramなどで検索してみてください。
よかった2、ザグレブのトラムの利便性
街の規模的に機能しやすいのかも知れません。市街地が網羅されており、数分~15分ごとにトラムがやってきます。電光表示で何分後到着という掲示があるので待つストレスがありません。
また構造上、すぐに乗降アプローチができるのが非常に楽です。
中央駅前の路線はバリアフリー対応されたトラムがやってきます。
路線が違うとまだバリアフリー化してないトラムもあります。
しかし乗降ストレスが非常に少ない便利な乗り物でした。
(ただし寒波の影響で車内も震えるほど寒い)
よかった3、ザグレブのバスターミナルは分かりやすい&IT連動
webやアプリから予約ができました。基本的にクロアチアで旅行客が関わる企業のウェブサイトはクロアチア語&英語を備えています。
個人旅行をしている(見かけたのはほとんど韓国人、団体旅行は中国人が多い)人の予約表を見ると、ほとんどGet by Busというアプリから予約をしているようでした。
Get by Busは多言語バス予約サイト&アプリとして面白かったので別途取り上げます。
よかった4,人柄&英語対応できる
日本基準で考えるとそれでも淡々と見えるかも知れませんが、他人と接する際のハードルが低い人が多い印象でした。また、レベルに差はあれど、旅行者が接する相手は基本的に英語が通じます。
よかった5,オフシーズンだから安い、空いてる、違った景色
これは賑わいや観光のハイライトを堪能するという点とトレードオフの要素ですが、視点を変えれば良かったと思う点です。
ただ沿岸部はリゾート色が強く、冬はそもそも店が空いてないという状況が発生します。旅行者側からのわがままを言えば、通年で楽しめるものがあったり、オフシーズンならではのものがもう少し用意されていると、当地の満足度がもっと高まったのにな、と感じます。前向きな「また来よう」というよりも、「今度はもっと良いときに来よう」というリベンジの気持ちを持った場所がいくつかあります。
よかった6,ホテルの食事&パン
いろいろと食べて、個別に美味しかった店やメニューがありましたが、
ホテルの食事、パンは鉄板でどこも美味しかったです。
左のパンはオリーブのペーストがたっぷり練り込まれています。うまい!
よかった7,中心地におけるキヨスク(スーパー・ドラッグストアで補間)
首都ザグレブはもちろん、その他も現時点で訪問した街は全てキヨスクが網羅的に展開されていて安心感があります。
現地のプリペイドSIMもキヨスクで購入しました。
また、スーパーやドラッグストアも多数ありお土産購入には最適でした。
最大手スーパーのkonzumのアプリはロケーター機能があり、各スーパーの営業時間だけでなく、現在地から近隣の店舗との距離も分かり便利。
よかった8、Uberが使える
荷物を持っての移動時にUberが活用できて、非常に便利でした。
このサービスの良いところは、とにかく対応エリアであれば、同じインターフェースで簡単に利用できるということに尽きます。外国人旅行者の自分にとってはこれが一番のメリットでした。ドライバーは個人ですが、事前に指定したルートを、一緒に見ながら辿るのでぼったくられるかも知れない、という不安もあまりありませんでした。(社内で外国人スタッフに話を聞くと、現金決済をしなくても良いという点もメリットとのこと)
とはいえ、リスクや不行き届きの不安も当然あります。
実際、ドブロブニクでのバスターミナルからの移動で配車手配をした時は、私達をピックアップする前に「乗車扱い」となってどこかに移動してしまい、結果的にUberにクレームを入れることとなりました。
余談ですが、日本でタクシー配車アプリを利用しようとした所、OSのアップデートにアプリが追いついていないのか、立ち上げ自体ができずに使い物にならず、その点は残念でした。(自分の環境の問題かと考えましたが、同様のレビューが多数)。
こうすれば良かったな
こうすればよかったな1、飲食店のリサーチ&予約
TripAdvisorの評価なども見て訪問するなどしましたが、自分たちの好みと合致しない店もけっこうありました。
また、季節的に大半が閉店中という街もあり(オフィシャル情報で出ていないケースも多)、事前に調べてプランBまで練って、かつ予約をしておけば良かったです。あるいは割り切って食べられれば何でも良い、という方針にするか。
なにが良くなかったか
「万人にとって」という意味ではなく、個人的な体験に根ざしたものです。
よくなかった1、交通システムの現場オペレーション
バス予約運行の期待と現場との齟齬。(予約しているのに座席がない)
同じバス会社でも乗員毎にオペレーションが違うことがあった
→これはまた前述のGetbyBusとまとめて別記事を記載してみます。
よくなかった2、トラブル発生時の客さばき
今回の旅行時、欧州の寒波到来に時期がかぶってしまい、あらゆるフライトが大幅な遅延が発生したり、フライトキャンセルが発生しました。
利用した2つの航空会社では、遅延時(最終的にはキャンセル)にweb表記は更新されず、電光掲示も更新されず。チェックインカウンターは閉じて、チケットカウンターのみ数人で一人ずつ対応していくというスタイルで、ほとんどの場所で半日以上行列で待ち続けることになりました。
人的リソースのバッファが小さいのは仕方がないが、行列やトラブルの捌き方はテーマパークや病院受付のようにデジタルでスマホに呼び出しがかかるか、単純なアナログ解決としても整理券が導入されるなどすれば、客-スタッフ双方のストレスが解消されるのにな、と感じました。最終的に一人ずつ対応するにしても、公式な状況通知アナウンスは必須ですね。
また、「当日便はもう飛ばない、夜にメールで代替便を連絡する」と言われたにも関わらず、ホテルで朝まで待っても通知がなかったのは泣けました。まだ確定してないよごめんね、という通知だけでもありがたかったのですが・・・。
最終的に航空会社の東京窓口に相談したところ、「フライト未確定ですが、とにかく荷物をまとめてカウンターで並んで交渉してください」とアドバイスを受け、カウンターも転々とした末にようやく帰国できました。
窓口のスタッフもきっとストレスフルだったと思いますので、今後の手配AIの進歩に期待です。
よくなかった3、オフシーズン
ドブロブニクの空港、夏を満喫しよう、活気がいっぱい!という旨のポスターが色あせ破れて風にはためく様子を冷えた空港で眺めて待ちぼうけし続けるのは、もののあはれが感じられて趣深かったと言っていいでしょう。
水道水レポート
評価:普通
ドブロブニク
評価:普通ということで、すべて飲めました。味の違いまではよく分かりませんでした。
そのほか気づいたことなど
国内観光の移動には、さほど活発に利用されているわけではいとのことでした。
青果の自販機
バスターミナルには飲み物やお菓子などと並んで、青果の自販機がありました。
最近は日本の駅でもバナナの自販機など見かけましたがもっと色々売ってもいいかも知れません。
あと、ちゃんと使い方が英語で書かれていますね。
Natural Fire has a special power
空港の広告ですが、暖炉は健在。やはりかっこいいキャッチコピーは英語で書くようです。
街は綺麗に!
ザグレブの人気の見世物の一つに衛兵の交代式があり、衛兵と馬が行進するのですが、ちょうど行進の写真を撮影する邪魔にならないような距離感で清掃車が後からついてきていて、馬の落とし物などを清掃員が急いで飛び降りて掃除していくその手際の良さに関心しました。
アートは紙一重
海辺が近い場所ではアートに取り組む人も多いという偏見があるのですが、写真のこの街でもアートスタジオが多く、クリスマス飾りなど残されていました。
Wi-fiについて
長距離バスのいくつかはwifiが設置されていました。常に快適接続というわけではなかったですが、移動中というのは旅行者がモバイル機器をいじる時間でもあるので、これは非常に重宝しました。
また、宿泊施設はほぼwifi完備、また飲食店もフリーwifiを設置していました。(ただし飲食店のwifiのPINは、店名か12345678)
自由に行き先を決めて、当日に安宿を探していたような頃は気にしていませんでしたが、他の人と一緒に行く個人旅行客が計画を立てる場合、「●月●日の移動は、バス路線があるの?必要時間は?早朝でも行けるの?」といった最後の具体的な情報が必要です。
今回の旅行は、いくつか日本語で情報発信をしているウェブサイト・ブログがあったおかげで、旅行のプランニングができました。情報発信していた皆さま、有難うございました。
感想まとめ:水は飲めます&冬以外にもう一度行ってみたい